玉掛索の点検方法及び廃棄基準

1.加工部分の点検方法及び廃棄基準

点検項目 点検方法 廃棄基準
断線

ロープを曲げたりしてアイ部分やスリープ付根部分の断線の有無を点検する。ある場合は、山切れ谷切れの状況を入念に調査し、断線本数を数える。

haiki01

C:クラウン断線(ロープ外接円と接する部分[山断線]の断線)

N:ニップ断線(ストランド相互が接する部分[山断線]の断線)

[クラウン断線の場合]
ロープ径(b)の6倍(約1ピッチ)の範囲内の断線を数え、使用されているワイヤーロープの構成を確認して、下表の断線数以上あるもの。

ワイヤロープの構成 可視断線数
点検範囲
(6d)
6×24
6×37(ハイクロスロープ)
9
10
IWRC6×Fi(25)
IWRC6×Fi(29)
5
6
IWRC6×{IWRC6×S(19)}
7×{IWRC6×WS(36)}
8
12

 

[ニップ断線の場合]
1本でもあるもの。

型くずれ アイ加工部にストランドの緩み等の型崩れや扁平、ロープのずれ等がないかを点検する。

・アイ頂点部で、著しく心網の飛出したもの
・アイ頂点部で、著しくつぶれが生じたもの ・アイ部分で、ストランドの緩みがあるもの

抜け出し

アイスプライス:ストランドの抜け出しの兆候がないか点検する。

アイ圧縮止め:片端に凹みが生じたり、抜け出しの有無を点検する。
抜け出しの点検は目視、マーキング等による。

・差し終わり部でストランドの抜け出しがあるもの
・片端に凹み、抜け出しのあるもの

スリーブの形状 スリーブに変形、つぶれ、き裂及び割れ等が発生していないか点検。 スリーブに変形、つぶれ、き裂、割れ等があるもの。
スリーブの摩耗 スリーブの摩耗状況を調査する。 スリーブが摩耗して、元の径の95%以下になったもの。
その他 腐食、きず等がないか点検する。 著しい腐食、きずが認められるもの。

2.加工部以外の点検方法及び廃棄基準

点検項目 点検方法 廃棄基準
断線 全長、全周にわたり断線の有無を点検する。
ある場合は、山切れ谷切れの状況を入念に調査し、断線本数を数える。

加工部の可視線数に準じる。

【実例写真】

dansen01

dansen02

キンク プラスキンク(よりの締まる方向のキンク)やマイナスキンク(よりの戻る方向のキンク)の有無を点検する。

局部的によりが詰まったり、戻ったりして、キンク発生したもの。

【実例写真】

pluskink

minuskink

 

つぶれ(扁平)

局部的に押しつぶされた部分がないか点検する。

局部的な押しつぶしによる扁平があるもの。ノギスで短径d min 及び長径d max を測定したとき、d max / d min ≧1.5 となったもの。

haiki02

【実例写真】

tsubure01

tsubure02

腐食(錆) 表面の腐食の有無を点検する。
有れば布地で拭いて取れる薄い錆か、表面に凸凹が生じているかを調査する。
内部は、スパイキ等でストランドを持ち上げて調査する。

素線表面にピッチングが発生して、あばた状になったもの。
内部腐食によって素線が緩んだもの。

【実例写真】

fusyoku01

fusyoku02

摩耗 全長、全周にわたり摩耗の状況を点検する。

素線と素線の隙間がなくなったもの。

【実例写真】

mamou01

mamou02

うねり うねりの有無を点検する。

著しくうねっているもの。又は局部的なうねりの幅(d1)がロープ径(d)の4/3以上になったもの。

haiki03

ストランドの
落込み、浮き
ストランドの落込みや浮きがないか点検する。

ストランドの落込み、飛び出し、うねり、かご状のものがあるもの。

【実例写真】

tobidashi

きず 全長、全周にわたりきずの有無を点検する。

有害な欠陥が認められるもの。

【実例写真】

kizu

その他 心綱のはみだし、曲がり、素線の飛出し、テンパーカラー等の有無を点検する。 心綱のはみ出し、曲がり、テンパーカラーのあるもの。


Top